イルミネーションの下で見た父と浮気相手

最近、単身赴任中の父が妙にお洒落になっています。
今までは、お洒落とは無縁の普通のおじさんだったのに、先日もまるで見たことないような、ブルーのシックなマフラーを巻いて帰ってきて、
「それどうしたの?」
と母が聞けば、飲み屋でもらったニセモノだ、と嬉しそうに笑っていました。
そんなある日、地元で有名なイルミネーションの綺麗な場所へ、母と出かけることになりました。
「お父さんは帰ってこないから、二人で行こうよ」
と母がしつこいので、寒いし気乗りはしないけれど付き合いました。
夜のイルミネーションの中には、たくさんのカップルがいて、何だか母と私は場違いな感じでした。
しかしそんな綺麗なイルミネーションのトンネルの先に、なんとあのブルーのマフラーを巻いた父が、女の人と歩いているのを見つけてしまいました。
私はじっと二人を観察しました。
父は間違いないとして、女の人はまだ30代くらいの、派手な身なりの女性でした。
二人は仲良さそうに腕を組んでいて、時折イルミネーションに隠れるようにキスを交わしていました。
正直驚いたし、吐きそうになりました。
母は気づいていない様子だったので、寒いとかなんとか理由をつけて、絶対に父と鉢合わせにならないように、違う方向へと誘導しました。
その夜、父のアパートに恐る恐る電話をかけてみましたが、一晩中繋がりませんでした。
翌週、久しぶりに実家に帰ってきた父に、先週の週末電話に出なかったけれど、どこにいたのか?と聞いたら、
「出張で〇県に行っていた」と嘘の答えが返ってきました。
父がお風呂に入っている間に、こっそり携帯のメールを覗くと、案の定浮気相手との証拠のメールがたくさん出てきました。
どうや父は、イルミネーションを見た後、浮気相手のマンションに泊り、翌日の昼に帰ってきた様です。
単身赴任してすぐから二人の関係は続いていたらしく、機械に疎い父は、そんなヤバイやり取りのメールを消去することなく、大切に残していました。
父が赴任先へ帰る日、珍しく駅まで送っていきながら、
「先週、イルミネーションに女の人といたよね?出張も嘘でしょ」
と言うと、父の顔色が真っ青になりました。
「いや違う、本当に出張だったよ」
と苦しい嘘を重ねるのと、電車の時間が迫っていたので、
「浮気は止めなよ。お母さんは何も知らないから、今までのことも絶対バレないようにしてよね!」
とだけ言って、父を見送りました。